Mt. Fuji Hill Climb
富士ヒルクライムでブロンズを取る
90分以内の完走を目標に、必要な体重管理と出力の目安を整理。 まずは今のW/kgを把握して、ギャップを可視化しよう。
計測期間
24km
標高差
1255m
平均勾配
5.2%
ブロンズ条件
90分以内
Calculator
W/kg体重とFTPから出力比を算出
体重(kg)とFTP(W)を入れると、登りの基礎指標になるW/kgを計算します。
現在のW/kg
2.86 W/kg
目標までのギャップは「体重」か「FTP」を少しずつ改善して埋める。
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North Star
机上論ベースの「90分指標」を算出
重力+転がり抵抗+空気抵抗から必要パワーをざっくり逆算。 富士ヒルの基本データと標準値で北極星を置く。
前提(標準値)
体重 70kg + バイク・装備 10kg → 総重量 80kg
Crr 0.004 / CdA 0.32 / ρ 1.1 / 駆動効率 97%
距離 24km / 標高差 1255m / 時間 90分
パワー内訳(概算)
体重 70kg の場合 → 3.11 W/kg
90分パワー = FTP × 耐久係数(0.90〜0.94)で逆算
耐久係数の意味:90分はFTPの100%維持が難しいため、実走は90〜94%程度で走る想定。
計算式: 必要FTP = 必要平均パワー ÷ 耐久係数
耐久係数 0.94
かなり高い持久力がある前提
必要FTP 約232W
耐久係数 0.92
目標ラインの現実的な目安
必要FTP 約237W
耐久係数 0.90
余裕を見た安全側
必要FTP 約242W
机上論としては FTP 230〜245Wレンジが「90分切りの形」になりやすい。
あなたの入力値ベース
入力FTP: 200W
体重 70kg / FTP 200W / バイク+装備 10kg を使って計算。
0.94 × FTP
約188W
0.92 × FTP
約184W
0.90 × FTP
約180W
必要FTPとの差
+32W
(耐久係数 0.94)
必要FTPとの差
+37W
(耐久係数 0.92)
必要FTPとの差
+42W
(耐久係数 0.90)
KPI
必要なKPIは3つに絞れる
計算式補足(机上論)
定常・無風を前提に、ホイール側の必要パワーは「重力+転がり+空気抵抗」。
P_wheel = P_gravity + P_roll + P_aero P_gravity = m g v sinθ P_roll = m g Crr v cosθ P_aero = 0.5 ρ CdA v_air^3
近似: sinθ ≈ G, cosθ ≈ 1(G = 獲得標高 / 距離、8%程度までOK) / このページの計算は厳密式で算出
向かい風 w m/s なら v_air = v + w(追い風なら v - w)。
P_crank = P_wheel / η (η = 駆動効率, 例: 0.97)
90分のざっくり計算例
距離 24,000m / 5,400s → v = 4.444m/s, G = 0.0523, m = 80kg
Crr 0.004 / CdA 0.32 / ρ 1.1 / η 0.97
重力 ≈ 182.5W / 転がり ≈ 14.0W / 空力 ≈ 15.5W
ホイール合計 ≈ 212W → クランク換算 ≈ 218W
Workout Menu
練習メニュー(まずはSST)
縦軸=強度(FTP%→W換算)、横軸=時間でセッションを可視化。SSTとZ2の代表例を並べる。
Workout
SST 3×10
WU 10分 / 3×10分 @90% + レスト5分 / CD 10分
Total
60 分
FTP 200W 基準
WU/CDは目安として60%/50%、レストは55%で表示
WU
10 分
60% / 120W
SST 1
10 分
90% / 180W
Rest
5 分
55% / 110W
SST 2
10 分
90% / 180W
Rest
5 分
55% / 110W
SST 3
10 分
90% / 180W
CD
10 分
50% / 100W
Workout
SST 3×10(ランプイン)
WU 10分 / 3×10分 85→90% + レスト5分 / CD 10分
Total
60 分
FTP 200W 基準
各メインは85→90%のランプ。WU/CDは60%/50%、レスト55%
WU
10 分
60% / 120W
SST 1
10 分
85→90% / 170→180W
Rest
5 分
55% / 110W
SST 2
10 分
85→90% / 170→180W
Rest
5 分
55% / 110W
SST 3
10 分
85→90% / 170→180W
CD
10 分
50% / 100W
Workout
Z2 ロング 90分
WU 10分 / Z2 70分 @65% / CD 10分
Total
90 分
FTP 200W 基準
Z2は65%目安。心拍・ケイデンスを揃える。
WU
10 分
55% / 110W
Z2
70 分
65% / 130W
CD
10 分
50% / 100W
Raise FTP
FTPをあげる
90分の出力は閾値寄り。ここが一番の特異練習になりやすい。
閾値(95%〜100%)
- FTPそのもの(天井)を押し上げる直撃。
- TTE(閾値付近を維持できる時間)を伸ばす。
- 結果として耐久係数kを上げる。
SST(88〜92%)
- FTP付近を「長く大量に積める」ので向上につながる。
- 「長く踏む」がそのまま耐久係数に効く。
位置づけ(ピラミッド)
本番(90分)に一番近い“特異練習”。富士ヒル90分のxWが閾値寄りになるから、ここが刺さる。
KPIで見るなら
Z4 TIZ/週(目安:20〜60分)
例:3×8、3×10、2×15 みたいな分割が現実的。
注意点
刺激が強いから、土台(Z2/テンポ)薄いと積めなくて詰む。
「週2で閾値やる」より「週1閾値+週1SST」の方が結果出る人多い。
SST Foundation
SSTを成立させるには
そもそもSSTは
乳酸が出るが、処理可能な帯域に居座る練習。
破綻するきっかけ
- 代謝が追いつかず副産物が溜まる
- 心肺が回りきらず心拍が天井に張り付く
- 筋持久が足りず局所(脚)が焼ける
- 回復が弱くて「週の中で積めない」
破綻を遅らせるために
副産物を処理する能力を向上
- Z2
- ミトコンドリア・酸化系の能力が増える
- 乳酸を燃料として回す力が強くなる
- 糖の消費がマイルドになりガス欠しにくい
- 結果:SSTで「出る→処理する」が回る
心肺コストを下げる
- Z2練習
- 心拍出量(1拍あたりの血液量)を上げる
- 筋肉への酸素供給能力が上がる
- 同じワットでも心拍が上がりにくい
- 結果:SSTが“同じ身体コストで実行”できる
筋持久力を上げる
- Z3
- そこそこの高トルクを長く維持できる
- SSTよりも楽に踏み続ける脚ができる
- 結果:SSTが「脚が先に死ぬ」→「粘れる」
回復力を上げる
- Z2 / Z3を積む(循環・代謝・自律神経適応)
- 1回のSSTの回復が早くなる
- 週の合計練習量を増やせる
- SSTのTIZを上げられる
→ Z2/Z3はSSTの成功率を上げるだけじゃなく、SSTの試行回数を増やす。これがFTPを動かす。
Tips
乳酸を燃料として回すとは?
そもそも乳酸とは
- 筋肉が糖を分解(解糖)してエネルギーを作る途中で 乳酸(lactate)が生まれる
- 乳酸は別の筋繊維へ運ばれる
- 乳酸はビルビン酸に戻され、ミトコンドリアで燃やされてATPになる
「運ぶ」と「燃やす」を鍛える
- 乳酸を外へ出す・取り込む能力が上がる
- 酸化系(ミトコンドリア / TCA回路)が強くなる
- どちらも持久系トレーニングで伸びる
だからSSTが回る理由
SSTは「乳酸の回収と燃焼が回る帯域」の練習。サイクルが弱いと破綻しやすい。
先に軽い帯域の持久系(Z2)を積むことで、SSTのような高い帯域が成立する。
Base Aerobic
有酸素運動の土台系
富士ヒルの登りを支えるのは、積み重ねた有酸素の土台。まずはここから整理しておこう。
リカバリー(Z1)
疲労抜き、血流アップ。
エンデュランス / Z2ロング
土台(心肺・代謝・回復力・耐久)。
テンポ(Z3)
中強度の持久、長時間の脚づくり(登り耐性の橋渡し)。
スイートスポット(SST / 88–92%)
効率よく“閾値近辺の持久”を積む。
Pyramid
90分達成のピラミッド構造
まずは90分で出すべき出力を定義し、そこから逆算して練習を整理する。
目標
Level 390分でnWを出す
nW = FTP ×(0.90〜0.94)
伸ばす層
Level 2FTP向上の主軸
閾値 / SST
土台
Level 1積み上げる基盤
Z2 / テンポ
Bronze Core
90分狙いの主役はこの3つ
富士ヒル90分に向けては、Z2・SST・閾値〜レースペースに集中しがち。 シンプルに絞ることで伸びが早くなる。
Z2ロング
土台を作る。長時間を楽にする心肺と代謝。
SST
効率よく積む。閾値に近い強度を安定させる。
閾値〜レースペース
90分特異。一定で踏み続ける感覚を鍛える。
Threshold Focus
閾値まわり(レース直撃系)
90分以内を狙うなら、FTP付近の持久とレース感覚を磨くセッションが核になる。
閾値(Threshold / Z4)
FTPそのもの・TTE(維持時間)を伸ばす。
オーバーアンダー(Over-Under)
上下動に耐える(登りでペースが揺れる再現)。
クルーズインターバル
Z4を分割して長く踏む(例:3×10、2×20のZ4版)。
レースペース走 / TT走
一定で踏み続ける実戦練(メンタル・補給・ペース配分込み)。
Vo2 & Anaerobic
VO2〜無酸素(上の天井系)
天井を上げる刺激。短い時間でも心肺と出力に強いインパクトを入れる。
VO2max(Z5)
上限の心肺、短〜中インターバル(3–6分系多い)。
アナーコビック(Z6)
30秒〜2分の高強度、W’(タンク)を鍛える。
スプリント(Z7)
最大出力、神経系・瞬発。
Skill Focus
神経・スキル寄り(パワー以外を作る)
数値の伸びだけじゃなく、動きの質を上げる。疲れた時ほど差が出る領域。
高回転ドリル(スピンアップ)
神経系、ペダリングの滑らかさ。
低回転トルク(筋持久/登坂トルク)
登り向けの脚(やりすぎ注意)。
片足ペダリング(ドリル)
ペダリング矯正(室内向き)。
ケイデンス固定走
フォーム安定、疲れても崩れない。
Durability
耐久の“現実対応”系
長時間の実走に耐える力を作るためのメニュー。補給とフォームも含めて鍛える。
ロングライド(LSD)
耐久、補給耐性、フォームの持続。
疲労下でのSST/テンポ(back-to-back)
2日連続や、ロング後に踏む(durability)。
ヒルリピート(登坂反復)
実走の特異性(勾配・姿勢・トルク)。
Structure
構造(練習の組み方)としての箱
いつ、何を重点的にやるかを分けるだけで伸びやすさが変わる。流れを可視化しよう。
ベース期(積む)
Z2中心+軽くテンポ/SST。
ビルド期(伸ばす)
SST/閾値/VO2の比率上げ。
ピーク/テーパ(仕上げ)
量を落としてキレだけ残す。
テスト(FTP/ランプ/20分/CP)
基準作り。
Bronze Goal
90分以内完走がブロンズの条件
24kmの登りを90分以内で走るには、ペース配分と補給の精度が重要。 数字を把握したら、次は走り方を整えていこう。
次の一歩
坂で使う筋肉を最適化する
ケイデンスと呼吸を揃えるだけで、脚の消耗を抑えられる。